船橋市議会議員 つまがり俊明 船橋一直線!

船橋市議会議員 つまがり(津曲)俊明の公式ブログです。

集団感染が発生した北総育成園の福祉現場の苦境

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船橋市から50キロの地にある北総育成園
3月29日に国内最大規模の新型コロナウイルス集団感染が判明した「北総育成園」(千葉県香取郡東庄町)は3月31日現在、93人の感染者が確認されています。昨日30日、本日31日と関係者と支援のためのやり取りを続けているところです。

概要はこちらの千葉日報記事(https://www.chibanippo.co.jp/news/national/679791)に譲りたいと思いますが、この施設は船橋市設置、運営は社会福祉法人さざんか会が行っています。私も何度か足を運んだところです。私が懇意の方のお子さんが入所している、またこの法人に親しい友人・関係者も働いており、今回の集団感染の事実に大変心配をしています。

また誹謗中傷も多く関係者は心を痛めています。現場は今必死に取り組んでいます。是非エールをいただければと思いblogにまとめました。なるべく客観的にと努めましたが情緒的な部分はそういった背景があることとお許しください。

ポイント

  • 重度知的障がい者という社会的に脆弱な部分に新型コロナの集団感染が発生したケース
  • ただでさえ成り手不足、処遇の改善が必要な障がい福祉現場の職員が過酷な状況の中で頑張ろうとしているのに社会的支援が充分でないケース
  • 国内初の入所施設における新型コロナの集団感染(病院除く)であり今後対策を立てるリーディングケースとなる

1.施設概要

  • 重度知的障がい者の入所施設
  • 重度の自閉所やてんかんなど、生涯暮らすので高齢化している。
  • S.49設立、船橋市設置、社会福祉法人さざんか会(親の会の皆さんが中心)運営
  • 住所は東庄町(銚子の近く)、時代背景により船橋市内に作れなかった
  • 入所者数70人、職員数67人

2.集団感染概要

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4月2日現在の千葉県報道発表資料(第5報)※4月2日改

  • 利用者82名のうち57名が陽性、職員67名のうち40名が陽性(家族などにも派生し合計117名:4月16日現在)
  • 感染ルートは明らかではない
  • 利用者のうち4名を病院に搬送。軽症者、無症状感染者、陰性の利用者は引き続き施設。

3.現場で起きていること

  • 白衣を怖がる障がい者もいる中で防護服を着て食事・入浴・排泄介助が充分にできるのか不安
  • 男性職員の罹患者が多く大変困っている
  • 通常の半分の職員で施設を支えており既に現場はギリギリの状況
  • 4月15日に陽性だが無症状の職員が現場復帰するまでなんとか支える体制をつくるのに必死
  • 特に夜勤を支える職員が不足。さざんか会の船橋市内の事業者から応援隊をつくって職員を北総育成園に送る予定になっています。
  • 2週間ほどの支援後にPCR検査が陰性であっても、すぐに自宅に帰ってくるのは家族から不安の声があがっている。2週間は待機するような一時待機場所が自宅以外に必要
  • 国や県ではこういった一時待機場所の必要性を認識しているのか甚だ疑問であり、苦慮している状況
  • 市の宿泊施設としては一宮少年自然の家があるが3月から改修工事中で6月まで使用不能
  • 当該施設で給食施設が稼働するまで2週間、約150人分の弁当の手配に苦慮
  • 誹謗中傷の電話がある
  • 北総育成園は現地採用
  • 50キロ離れた船橋の施設の職員やその子弟に風評被害

4.私が今思うこと

私達は今振り返るべきではないでしょうか。3.11の際に船橋で起きた、福島から避難してきた子供達、家族への言われなき差別やいじめです。誰も好き好んでこのような境遇になったわけではありません。大きな落ち度があったとも聞いていません。

医療福祉現場の方は一般の方より日頃からはるかに衛生に気を配っています。この新型コロナウイルス対策ではマスクや消毒液が限られる中で、さらなる緊張を強いられていたと思います。感染のリスクを抱えながら必死に福祉現場を支えているのは、機械ではありません、人間です。あなたの家族や友人がその場に向かう姿を思い浮かべてみてください。

今、現場はウイルス以外に風評被害という人災にも巻き込まれています。せめてウイルスとの戦いに専念させてあげてください。できれば応援のエールを送ってください。心よりお願いします。これは千葉、船橋だけの問題ではありません。今後、他の高齢者・障がい者入所施設でも起きうることです。私達が今回の集団感染を今後の予防と対策のモデルケースとできるように応援してください。

最後になりますがこちらの親御さんの当事者の声をお読みいただければ幸いです。

5.北総育成園にお子さんが入所している元議員の当事者としての声 (平成25年第3回定例会-本会議質問09月09日)

◇ ○○ 議員
私は結構長く生きてきまして、そのさまざまな経験を通して、知恵を出していきたいと考えているものでありますが、私ごとですが、家族に知的障害を持つ子供を持ちまして、十数年、市の北総育成園という施設に入所させております。その経験を踏まえて質問したいと思います。

 元来、人というものは、子供として生まれ、健康に成長し、教育を受け、やがて何らかの仕事について、その能力を生かしながら社会参加することに喜びを感じ、できればよき伴侶を得て、生きがいや働きがいを味わうといったことが望ましいことだろうと思います。

 しかし、本人の意欲や努力にもかかわらず、障害などによってその達成がかなわない人たちに対しては、チャンスの平等などという言葉もありますが、お互いさまの発想でしかるべき支援をしていくというのが、健全な成熟した福祉社会であろうと考えます。

 さて、北総育成園では、相当重度で、かつ重複した障害を持つ知的障害者たちに対して、単に生活を保護するだけでなく、できる限り働く喜びを保障しようとする職員たちが、単純作業などではなく、立派に販売にたえるような農作業や園芸活動の生産品、陶芸や木工作業の製品づくりなどの仕事に挑戦させております。

 働いて、物をつくり出し、成果が社会に受け入れられる喜びは、この人たちの生活を充実させ、生き生きと活発にさせています。ほかにも伝えたいことはいっぱいありますが、今回、北総育成園の整備費が、補正予算で2年にわたる継続費として計上されております。これをどう評価されましたか。また、北総育成園の事業遂行をどう評価されているか、あわせてご見解を伺います。

◎福祉サービス部長
まず、北総育成園既存棟の工事の評価ですが、建物の老朽化に伴う修繕や居室のバリアフリー化や個室化、このために大規模改修を予定しております。

本事業については、昭和49年に開設して以来、39年が経過しておりますこの施設ですと、給排水設備等多岐にわたる改修が必要となり、これを行うものでございます。非常時に自力で避難することが困難な方々が多く入所する当該施設の整備は、必要であると考えております。

 次に、北総育成園の事業遂行の評価ですが、北総育成園は、知的障害者が入所する障害者支援施設であり、多くが船橋市の援護者ですが、現在では高齢化も進み、より支援度が高くなってきております。
 このような中で、働くことを生活の中心に置いている指定管理者の事業遂行につきましては、市としましても高く評価しているところでございます。

◆○○ 議員  
今回、整備費の中に仮設の厨房のための予算を700万円ほど計上していただいております。民間に渡る予算としては、そう大きいものではありませんが、実は私、この予算を高く評価し、市の姿勢をよいほうに見直すくらいの気持ちになっておりますが、このいきさつについて伺います。

(中略)

◎福祉サービス部長 仮設厨房設備の経緯についてお答えします。
 北総育成園既存棟改修に伴い、工事期間中、厨房が使用できなくなることについて、法人と協議いたしました。

 現在と同水準の食事を提供したいという法人や、保護者からの要望を踏まえ、厨房が必要であると判断し、平成25年3月に竣工しました新棟の工作室に、業務用電磁調理器等を整備し、仮設厨房とします。ここで、宅配の調理済み食材を利用し、温かい食事を提供する予定です。これにより、工事中の利用者の生活水準を、できるだけ維持してまいりたいと考えております。
    

◆○○ 議員  
個別の予算に立ち入ったかもわかりませんが、言いたいことは、この北総育成園の障害者は、口腔──まあ、口の中ですが──のそしゃくなどにも障害があって、流動食や刻み食でなければとれない人も少なくはない状況です。

 その中でも、園長の思想に基づき、食事は決して餌ではなく、生活の彩りであり、礼儀作法などもしにくい人たちだからこそ、食は文化なりと言って、ゆっくりと温かいものを食べられるように、職員の介助も指導されております。決してグルメなどではなく質素でも、冷めたみそ汁ではない、温かい手を加えたものを準備する厨房職員たちが細かい気配りをしています。それだけに、今回のご理解をうれしく感じたわけであります。

 といったことで、ほかにも市が指定管理委託をしている福祉や介助の関係などの福祉法人などがたくさんありますが、本来、市でやるべきことをより上質に、丁寧にケアをやってもらうのですから、間違っても金を払ってやらせてやっているというような態度は望ましくありません。期待に反するような対象法人に対しては、厳しい指導も必要でしょうが、長年、その世界の模範となるような実績ある施設や法人などには、感謝状や表彰状などを出してもいいのではないでしょうか。

 きつく、つらい仕事にも、気高いホスピタリティーで勤めている若い職員たちに、報酬以外のやりがいや、誇りや、社会的意義を感じていただく施策も考えられないか、見解を伺います。


◎福祉サービス部長
 北総育成園は、昭和49年に開設以来、社会福祉法人に運営を委託しておりましたが、平成18年度に指定管理施設となりました。

 指定管理者である社会福祉法人さざんか会の運営については、月例報告、年次報告、現地の調査を通じて、利用者本位の運営がなされていると認識しております。また、毎年度実施している利用者、保護者アンケートについても、良好な結果が出ております。

 本市においては、公共の福祉の増進等に功労のあった者を表彰する船橋市表彰条例があり、同法人については、指定管理以外にも市内でさまざまな障害福祉サービスを実施していること等を評価いたしまして、過去に同法人の理事が表彰されたことがございます。

 今後も、適宜、社会福祉法人、ここの法人に限らず、顕彰等をするとともに、北総育成園自体の活動については、広く周知をして啓発を図ってまいりたいと思っております。(終)